「ぼくのガウディ」


ぼくの家にはガウディという名前の子犬がいます。ミニチュア・シュナウザーというしゅるいで、生後九か月のオスです。 まゆ毛が白くて長いせいか、子犬なのにおじいさんみたいに見えます。今年の六月にぼくの家に来てから一か月がたちました。 来たばかりのころは、見知らぬ家や人ばかりできんちょうしたのか、おしっこやウンチをがまんしてしまったり、夜にさびしくて鳴いたりして、とても心ぱいしました。 でも今は、すっかり家ぞくにもなれて、元気いっぱいです。人なつこくて、ぼくの顔をぺロぺロなめます。ちょっとくさいけれど、くすぐったくていい気持ちです。 他にも、いっしょにさん歩に行ったり、ボールで遊んだり、タオルの引っぱり合いっこをしたりします。なんだか弟ができたみたいでうれしいです。 ぼくがとくに気に入っているのは、足の肉球です。ポップコーンみたいなにおいがするので、何度もスースーとかいでしまいます。 ガウディはちょっとめいわくそうだけれど、やめられません。

 ガウディは家ぞくの中ではお母さんといっしょにいる時間が一番長いので、お母さんの動きを一番よく見ていて、言うことも聞きます。 お母さんがエサのじゅんびをすると、台所の近くでおすわりをしてずっと待っています。お母さんが外から帰ってくると、しっぽをふって大こうふんです。 お母さんがぼくをおこっている時は、少しはなれた所から、その様子を不安そうに見つめています。 ぼくは、「ガウディはおこられなくてうらやましいなぁ。」と心の中で思いながら、じっとお母さんの話を聞きます。

 ガウディがおじいさんになった時、ぼくはまだ二十才くらいです。犬の一生は人間とくらべてとても短いなぁと思います。 お母さんが「犬だって人間と同じように、年をとれば病気やけががふえるんだよ。 でも人間のように言葉で話せないから、痛みや苦しみを人間が早く感じとってあげないといけないんだよ。」と教えてくれました。 ぼくにはまだ、おじいさんになったガウディを想ぞうすることはできないけれど、大切な家ぞくなので、きちんと最後まで世話をしてあげたいです。 ガウディがいると、家ぞくみんながニコニコと笑顔になるので、それがとてもうれしいです。 ガウディ、ぼくの家に来てくれて本当にありがとう。大好きだよ。これからも、いっぱい遊ぼうね。